「わたしだったらこうする！」から始まる、子どもの創造の時間

5月のテーマは「どうぶつ・いきもの」。
３週目に子どもたちが紙粘土と絵の具を使って、自由に作品を作るレッスンがありました。
でもこれは、いわゆる“工作の時間”とは少し違います。

毎回のレッスンではじめに私がするのは、テーマの紹介と少しのデモンストレーション。
それから時に、絵本を見ながら、時に写真や有名な絵画やユニークな作品を見せながら、
子どもたちの中に「自分だったらこうする！」という気持ちが芽生えるように語りかけていきます。

子どもが「やらされている」のではなく、「自分で決めて作る」体験を重ねること。
その中で、『自分のアイデアに自信を持つ力』が自然と育まれていきます。

大人が手をかけすぎず、でも放っておくわけでもない。

子ども一人ひとりが「選ぶ」「工夫する」「表現する」過程を大切に設計するのは、実はとても難しくて、根気のいることです。
それは、私が2年近く毎週違うオリジナルレッスンを考案して、子供達と実践してきた中で思うことです。

でも「自分で決めて実行する」ことは、「上手な作品」を作るよりもずっと大事なことだと、私は思っています。

アートの時間は、非認知能力——たとえば、集中力、思考力、やり抜く力、表現する力——を育てる時間でもあります。
そしてそれらは、まさにこれからの時代を生きる子どもたちにとっての、かけがえのない土台になるはずです✨

わたしたち大人ができるのは、完成形を見せることではなく、ワクワクする“入口”をつくること。
そして、子どもたち自身が自分だけの道を見つけて進んでいく——そんな瞬間を信じて、静かに伴走することだと思うのです。